スーツを着た悪魔【完結】
その日の午後、大荷物の頼景を女王様のように従えた未散が、豪徳寺邸へとやってきた。
「私とヨリからのプレゼントよ」
業者に頼んだらしい、玄関に次々と運ばれてくる荷物を、深青とまゆはあ然として見上げた。
「いったい何が入ってるんですか?」
「身に着けるもの全般」
ずいぶんと漠然としてるな、と思いつつも、まゆは焦ってしまった。
「で、でもそんな、プレゼントだなんて……!」
ブランドがまったくわからないまゆだって、中身を見ないでもわかる。
どれも美しいラッピングを施されていて、レースやらリボンやらで飾られているのだ。
まゆのお給料ではとうてい買えないような品ばかりに違いない。
「でもね、ここにあるもの全部、ヨリの財布で買って来たってわけじゃないのよ。私のやお姉ちゃんのお下がりっていうか、ほとんど着てないけどまゆちゃんに似合いそうなものをみつくろってきただけだから。捨てるのももったいないし、まゆちゃんが着てくれたら嬉しいわ。あと、うちの店の靴とかもあるからね」