スーツを着た悪魔【完結】
「大丈夫。可愛らしいのからエレガントなのまで、色々選んでるから。お兄ちゃんとどれが好きか話し合うといいわ」
「は、話し合い……」
まゆの顔がさらに、熟したトマトのように赤くなる。
「そんな……」
結局、深青を見ることも、未散を見ることもできず、俯いてしまった。
「――馬鹿」
頼景がため息をつきつつ、隣の未散を見下ろす。
まゆはハッとして顔をあげた。
ずっと無言を通していた彼だったが、そういえば彼もこのプレゼントの送り主なのだ。
手にしていた靴をそっとケースに仕舞うと、立ち上り頼景にも深々と頭を下げた。
「あの、ありがとうございます」
「え、あ、いや。このくらいは……じゃ、俺は帰るぞ未散」
まだどこか、申し訳ないとか、気まずいという気持ちが彼に残っているらしい。
彼にしては珍しく動揺しつつまゆに会釈を返し、さらに未散に囁きかけた。