スーツを着た悪魔【完結】
――――……
わざと朝寝坊をして、洗濯。広い庭にシーツを干し、カウチに横たわって本を読む。
緑が青々と茂っているので、樹の下にいればとても快適に過ごせた。
お腹が空けば二人で肩を寄せ合いキッチンで食事を作り、思いつきでシュークリームを焼いて、その微妙な仕上がりに笑いあった。
夜は大きなベッドで、子猫のきょうだいのように身を寄せあって眠る。
そうやって、十日ほど、まゆと深青は穏やかな休日を過ごしてはいたが――
ある朝、まゆはテーブルの向こうで朝食のサンドイッチを頬張る深青に、意を決して問いかけた。
「深青……」
「ん?」
「あの……」
彼は私が何を言いたいかわかっている。
まゆはサラダを食べていたフォークをテーブルの上に置き、深青の顔を見つめる。
「もう、私大丈夫だから」
「――」
「だから教えて。悠ちゃんのこと」