スーツを着た悪魔【完結】
もしかして――
いや、もしかしなくても、『あれが待ち合わせの相手?』って失笑されてる……?
途端に顔にカーッと熱が集まる。
そ、そうだ。
ピアスを返してもらうことしか頭になかったから……
もっと目立たないところで待ち合わせをすればよかった。
「どうしたんです?」
ハッと顔を上げると、深青がすぐ目の前に立って、顔を覗き込んでいた。
「あ、いえ、お待たせしまして……!」
ぺこぺこと頭を下げるまゆを、深青はいつもの外面バージョンの仮面をつけて見守る。
「そんなに待ってないですよ。さあどうぞ」
そして肩を抱き、まゆのバッグを持つと、席にエスコートした。
そしてわざわざまゆのためにメニューを広げ、隣に腰を下ろす。