スーツを着た悪魔【完結】
こういう健全な女と昼間二人っきりで会うのって、それこそハイスクール時代でもなかったかもしれないな。
と言っても、まったく俺のタイプじゃないけど……。
俺はゴージャスな女が好きだし。
そんなことを思いながら、まゆが落としていった小さな箱をテーブルの上に乗せる。
「これ。渡しておきますね」
「あっ、ありがとうございますっ……」
まゆはホッとしたようにそれを両手にとり、深青に頭を下げる。
「ちなみに何買ったの?」
「ピアスです。星のかたちをした、可愛いピアスで――」
彼女が真面目な表情で答える。
その、さらりと黒髪がゆれた隙に、咄嗟に深青は手を伸ばし、彼女の頬にかかる髪を指先で持ち上げていた。
「っ……!」
驚いてビクッと体をすくめるまゆ。