スーツを着た悪魔【完結】

それもそのはず、別に深青とて性的な意味で触れているわけでなく、ピアスを買ったくせにピアスホールがあいていないまゆの耳を不思議に思っただけで――

そしていざ触ってみたら「つるつるして気持ちいいな」という、子供のような感覚で、まゆの耳に触れ続けていたのだった。

女性にしてみれば大変迷惑な話だけれど、深青にはこういう本人が意識していない妙に子供っぽいところがあった。



「えっ……ふっ、ふっ、ふつう、ですけど……あ、あの、もう」



ただ、耳を触られているだけ。けれど首の後ろからゾクゾクと震えが駆け上がってきた。

なにがどういけないのかはわからないのだけれど、これ以上触れられるのはよくない気がした。


身を引こうとした瞬間、深青がピクリと体を揺らし、まゆから手を引く。


そしてデニムの後ろポケットから携帯を取り出した。


まさか、また女の人……?


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