スーツを着た悪魔【完結】
まさかあの女、未散から番号を聞き出していたなんて……。
死ぬほど腹が立ったが仕方ない。もうこうやって彼女の耳に入ってしまったのだから。
「そうよ。別に私の友達ってわけでもなかったけど……お兄ちゃん。さすがに人の道理に反するんじゃないの?」
「いや……」
最愛の妹に「人の道理」に反すると言われるのはさすがに傷つく。
自分の対処のまずさに今更ながら後悔の念が押し寄せてきたが、こうなってしまえば悔やんでも仕方ない。
とにかく未散の怒りを抑えなければ……。
そう、どんな手を使っても。
「いい年こいて! 26にもなって! プレイボーイを気取るのもいい加減にしたら?」
「未散、声が大きい……」
「うるさいわね! 私はもともとこうなのよっ! 声も身長も態度も大きいのっ!」
「――」
未散の剣幕に、黙り込む深青。