スーツを着た悪魔【完結】

まさかあの女、未散から番号を聞き出していたなんて……。

死ぬほど腹が立ったが仕方ない。もうこうやって彼女の耳に入ってしまったのだから。



「そうよ。別に私の友達ってわけでもなかったけど……お兄ちゃん。さすがに人の道理に反するんじゃないの?」

「いや……」



最愛の妹に「人の道理」に反すると言われるのはさすがに傷つく。

自分の対処のまずさに今更ながら後悔の念が押し寄せてきたが、こうなってしまえば悔やんでも仕方ない。

とにかく未散の怒りを抑えなければ……。

そう、どんな手を使っても。



「いい年こいて! 26にもなって! プレイボーイを気取るのもいい加減にしたら?」

「未散、声が大きい……」

「うるさいわね! 私はもともとこうなのよっ! 声も身長も態度も大きいのっ!」

「――」



未散の剣幕に、黙り込む深青。



< 61 / 569 >

この作品をシェア

pagetop