スーツを着た悪魔【完結】
まゆはそんな二人のやり取りを見ながら、ちょっとだけ胸のすく思いがした。
どうやら豪徳寺深青は、妹さんに弱いみたい。
あの傲慢な男が顔色を変えて困っているなんて、面白い。
ざまーみろだ。もっと困ればいいのに。ふふっ……。
弱っている豪徳寺深青に、ちらりと目線を送るまゆだったが――
「OKみちる。俺の話を聞いてくれ」
深青は急に冷静さを取り戻したように胸を張る。
「なにがオッケーよ。馬鹿なの? 絶交よ、絶交。家族の縁を切らせてもらうわ。あと、お父様とお母様にも告げ口してやるんだから」
「いや、違うんだ。ちょっと待て。確かに俺はその……少々だらしないところがあったが、生まれ変わった」
「はぁ?」
みちるが何を言っているんだと眉をひそめると同時に、まゆもまた首を傾げる。
生まれ変わったって、いつ?