スーツを着た悪魔【完結】
違うんです、未散さん。
「あの」
「あなたのお名前は? ねえ、兄さん紹介して?」
「――」
「兄さん?」
黙り込む深青を怪訝そうに見下ろす未散。
深青といえば――焦っていた。
うまく切り抜けられそうだと思ったのに、そういえば名前すら知らなかった。
こいつの名前、なんだっけ?
名前は一度聞けば忘れない自信があったが、聞いてすらないものはどうしようもない。
仕方なく、腹をくくった。
「俺の子ウサギちゃんって呼んでる」
「ひっ!?」
「なにそれー!!!」
未散は兄の知られざる一面を知り、腹を抱えて笑い始める。
そしてまゆと言えば――
卒倒しそうなくらいショックを受けていた。
子ウサギちゃんって……!