スーツを着た悪魔【完結】
まゆさん。かわいいひと。真っ黒できれいな瞳をしている。
あんな風にうるうるした瞳で見つめられたら、保護意欲をかきたてられるというか……子ウサギちゃんって呼んで可愛がりたくなるかもね。
「ね、まゆさん、兄だけではなくて、私とも仲良くしてね」
「はいっ……」
深青の背中ごしにニコニコしながら微笑みかけてくる彼女に力いっぱいうなずいていると
「未散。そろそろ俺たちを二人きりにしてくれると嬉しんだけどね?」
深青がにっこりと微笑みながら肩越しに妹を振り返った。
その笑顔は、確かに笑ってはいるけれど――
妹の直感で、どこか焦っているようにも見える。
ああ、なるほど。本当に私お邪魔なんだわと、未散は内心ワクワクしつつ、うなずいた。
兄の新しい恋人に興味はあるけれど、未散だってまだこれからの二人を邪魔するつもりはないのだ。