スーツを着た悪魔【完結】
一生懸命やってんなぁ……
適当でいいって言ってるのに……。
今日からまゆが来ることはちゃんと覚えていた。
と言っても、わざわざそのためにここに来るつもりはなかったのだが――予定がずれ、時間が空いたために顔を見る気になった。
眼鏡が似合わないと言った時のまゆのしかめっつらを思い出すと、思わず頬が緩む。
どうも、まゆからは、人からちょっかいを出されやすい空気が出ているらしい。
いや、ちょっかいというよりも、話しかけやすい雰囲気というのだろうか……
深青が見ているだけでも、その後一週間で、出入りの業者や同じフロアの社員によく声を掛けられていた。
しかもただ声を掛けられているだけでなく、食事や飲みに誘われているようだ。
なんだ、あいつ。もしかしてモテてる?
生意気……。