モカブラウンの鍵【完結】
夕飯を食べ終わり、リビングでテレビを見ていると、姉ちゃんが俺の目の前に雑誌を広げてきた。


「ねえ、どれが好き?」


雑誌を受け取り、見てみる。

張りのない雑誌は見にくい。

膝の上で、雑誌を軽く手で擦って皺を伸ばす。

姉ちゃんが見せてきたページを開くと、そこには下着の写真が載っていた。


「バカじゃないの。俺じゃなくて、旦那に聞けよ。姉ちゃんの下着なんか選びたくもない」


持っていた雑誌を姉ちゃんに返す。


「違うわよ。ナオちゃんの勝負下着。どれがいい?」

「え? 佐伯さんの? なんでそんな話になるんだよ」

「明日、ナオちゃんと買い物に行くから。あとエステにも」


買い物に行くほど、仲良くなっていたのかよ。

迷惑かけてないかな、姉ちゃん。

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