モカブラウンの鍵【完結】
土曜日の休みだというのに、姉のために朝ごはんを作る弟。

俺って健気。

わざわざアラームまで鳴らし、7時に起きた。

姉ちゃんのためだけに、手の込んだ朝ごはんを作る気にもならない。

10分もあればできるメニュー、目玉焼きとトーストにした。

朝ごはんを並べると、すぐに出かけられる状態の姉ちゃんがイスに座った。


「楽な朝ごはん」


作ってもらって、その物言いはないだろ。

いつもの姉ちゃんに戻ったということか。


「文句がるなら食べるな。文句があるなら自分で作れ」


当たり前の姉弟の会話をしながら、朝ごはんを食べる。

テーブルの上には昨日、見せてきたクシャクシャの雑誌が置いてあった。

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