モカブラウンの鍵【完結】
――ピンポーン、ピンポーン


お、ちょうどいいタイミング。


「姉ちゃん、出てくれる?」

「はーい」


スリッパをパタパタと音を立てながら玄関へ行く姉ちゃんを横目で追う。

姉ちゃんが無駄に意地を張らず、幸司さんが上手くやれば仲直りだな。

もしヤバそうだったら、俺が助け船を出すか。

玄関の方からは姉ちゃんが文句を言っている声と幸司さんのなだめている声が聞こえてくる。

助け船を出すためにキッチンから出ようとしたときだった。



――ブチュッ、チュッ



あれ? そういう展開。

仲直りできたんだ。

俺さ、2人がリビングに来るまでここから出られないのかよ。

パスタが冷える前に終わるといいな。


数分後、嬉しそうな顔をした姉ちゃんと、唇がツヤツヤした幸司さんがリビングに入って来た。

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