モカブラウンの鍵【完結】
「涼太君、宏実がお世話になったね」

「いえ」


キスしたばかりの身内を見るのは気が引ける。

もろキスの真っ最中を見たわけではないにしろ、微妙だ。


「幸司、クリームパスタ作ったんだ。食べてほしいな」

「いいのかな?」と幸司さんが俺の顔を見た。

「もちろんです。俺のスパルタ教育で、かなり美味しいパスタを姉ちゃんが作りましたから。食べていってください」

「じゃあ、お言葉に甘えて」


2人は並んでダイニングテーブルにつく。

手を握ったり、顔を触ったり、ピンクのオーラを全開にしている夫婦。

結婚2年目でも根本は新婚みたいだからな、あの2人。

てか、姉ちゃんは運ばないのか。

作ったのに? なんだ、これ!


「どうぞ」

「宏実が作ったんだ、美味しそう」

「うん、幸司食べて。あ、涼太、幸司が来るの、知ってたんだ。だから初めから多めに作ってたんでしょ」

「そうだよ。一昨日の夜、幸司さんに電話したから」

「宏実はいい弟を持ったな」

「ふん。まあ、今回のことはありがとう」


幸司さんの前では素直なんだよな。

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