魔王と王女の物語③-Boy meets girl-【完】
コハクの話では、グラースやアーシェが部屋を訪ねてくれると言っていたが、待てど暮らせど一向にその気配はない。
何か用事でもあるのだろうと勝手に思い込んだラスは、バルコニーの戸にかけられたロックの魔法を解除してもらうと外に出て大きく伸びをした。
「気持ちいい…。ルゥちゃんお散歩に行こうか」
「あい!」
元気のいい返事をしてずっとラスのワンピースの裾を握っているルゥの成長に頬を緩めていると、隣に立ったデスが遠くを指差した。
「……帰って…来た…」
「え?あ、ほんとだ。コーとドラちゃんと……あとよく見えないけどあれはなあに?」
真っ黒なドラちゃんの背にはコハクが乗っていたが、もっと小さい生き物が何やら大量にへばり付いている。
結界を抜けてもっと近くに飛んでくると、その正体に気づいたラスは歓声を上げて大きく手を振った。
「豚さんにウサギさんたち!あのね、私が攫われた時に森で助けてくれた動物さんたちなの。わあ、コー…連れて来てくれたんだ!」
笑みを浮かべたコハクが屋上を指したので、デスと手を繋いで部屋を飛び出したラスは息を切らしながら屋上に着いてドラちゃんの背からわらわらと降りている動物たちに駆け寄った。
この動物たちが居なければどんなことになっていたか――
心細さと空腹と寒さと…怖いもの全てに襲いかかられて精神的に参って心が壊れていたかもしれない。
だが彼らが居てくれたおかげで心細くなかったし、食料を運んできてくれたし、あたたかさを与えてくれたし、怖いものはあまりなくなった。
なくなったが…全て消えたわけではなかった。
『お嬢さん!また会えて嬉しいよ!元気になって良かった!』
「豚さん!ありがとう、私…みんなのおかげで元気になれたよ!あのね、この子は私とコーの赤ちゃんで、この人はデス。他にも沢山居るんだけど後で会わせてあげるね」
続々とラスに群がってあっという間に大量の動物に囲まれてしまったラスに近付けないコハクは、人だけでなく動物ともすぐ仲良くなってしまうラスに呆れながら笑いつつ、腕を組んでドラちゃんにもたれ掛る。
「実はちょっとした計画があるんだ。おいお前らチビから離れろ。計画がとん挫してもいいのか?」
そう言うと動物たちはそろりとラスから離れてコハクに道を譲り、きらきらした瞳でラスを見上げた。
『聞いておくれよこの人の話を』
何か用事でもあるのだろうと勝手に思い込んだラスは、バルコニーの戸にかけられたロックの魔法を解除してもらうと外に出て大きく伸びをした。
「気持ちいい…。ルゥちゃんお散歩に行こうか」
「あい!」
元気のいい返事をしてずっとラスのワンピースの裾を握っているルゥの成長に頬を緩めていると、隣に立ったデスが遠くを指差した。
「……帰って…来た…」
「え?あ、ほんとだ。コーとドラちゃんと……あとよく見えないけどあれはなあに?」
真っ黒なドラちゃんの背にはコハクが乗っていたが、もっと小さい生き物が何やら大量にへばり付いている。
結界を抜けてもっと近くに飛んでくると、その正体に気づいたラスは歓声を上げて大きく手を振った。
「豚さんにウサギさんたち!あのね、私が攫われた時に森で助けてくれた動物さんたちなの。わあ、コー…連れて来てくれたんだ!」
笑みを浮かべたコハクが屋上を指したので、デスと手を繋いで部屋を飛び出したラスは息を切らしながら屋上に着いてドラちゃんの背からわらわらと降りている動物たちに駆け寄った。
この動物たちが居なければどんなことになっていたか――
心細さと空腹と寒さと…怖いもの全てに襲いかかられて精神的に参って心が壊れていたかもしれない。
だが彼らが居てくれたおかげで心細くなかったし、食料を運んできてくれたし、あたたかさを与えてくれたし、怖いものはあまりなくなった。
なくなったが…全て消えたわけではなかった。
『お嬢さん!また会えて嬉しいよ!元気になって良かった!』
「豚さん!ありがとう、私…みんなのおかげで元気になれたよ!あのね、この子は私とコーの赤ちゃんで、この人はデス。他にも沢山居るんだけど後で会わせてあげるね」
続々とラスに群がってあっという間に大量の動物に囲まれてしまったラスに近付けないコハクは、人だけでなく動物ともすぐ仲良くなってしまうラスに呆れながら笑いつつ、腕を組んでドラちゃんにもたれ掛る。
「実はちょっとした計画があるんだ。おいお前らチビから離れろ。計画がとん挫してもいいのか?」
そう言うと動物たちはそろりとラスから離れてコハクに道を譲り、きらきらした瞳でラスを見上げた。
『聞いておくれよこの人の話を』