魔王と王女の物語③-Boy meets girl-【完】
「お前に話さなければならないことがある」
「うん、どうしたの?…お腹が痛いの?さっきからずっと撫でてるけど」
知らない人間が現れたことで一瞬動物たちは警戒したが、ラスが親しげにしているので踏み止まって美女をじっと見上げた。
グラースはラスの前で仁王立ちすると、顎で欠伸をしているドラちゃんを指した。
「そいつの子供を妊娠した。恐らく出産のタイミングはお前と同じ位の時だ」
「…え!?そっちにはドラちゃんと…コーしか居ないけど!まさかコーの!?」
「お、おいチビ!俺を疑うなんてひどい!」
――グラースが指しているのは、慌ててコハクが傍から離れたドラちゃん。
呆気に取られているコハクとラスの顔を見て噴き出したグラースは、何食わぬ顔をして大きな口を開けて日光浴をしているドラちゃんに歩み寄って尻尾を踏んづけた。
「お前を捜しているうちにまあ…そういう仲になった。だが私は子供を産むだけで、そいつとはどうこうならない。種族が違うし結婚できるはずもないだろうからな」
「で、でも…え…ドラちゃん!グラースと…その…恋人になっちゃったの!?」
『違う。俺の恋人はベイビィちゃんだけだ』
「お前その牙全部抜いて舌引っこ抜いてやんぞ!冗談言うなぼけ!」
コハクに激怒されても全く動じないドラちゃんは、しゅんという音を立てて人型になると、立ったままラスを後ろ抱っこしてべったり張り付いてさらにコハクの瞳を真っ赤にさせる。
『冗談じゃない。今でも俺の愛しい女はベイビィちゃんだけだ。そこの女を抱いたのはただの気まぐれで、俺の子を欲しがったから』
…あけすけもない。
口をあんぐり開けて空を仰ぐようにして見上げてくるラスに上体を傾けてキスをしようとしたドラちゃんの首根っこを掴んだコハクはどたばたと互いに爪でひっかき傷を立てて抗戦しながらまくし立てる。
「チビは俺の子供だけしか産まねえし、お前グラースといつそんなうらやま……間違った。いつそんな関係になったんだよ!しかも妊娠させたとかお前…!」
『強い子が産まれる。俺はベイビィちゃんの傍に居るが、俺の子はベイビィちゃんの傍に居て守ってやれるだろう。一石二鳥だ』
ドラゴンと人との間の子。
ラスは瞳を輝かせていたが、とんでもない問題児を抱えてしまいそうな予感にコハクの口から盛大なため息が漏れた。
「うん、どうしたの?…お腹が痛いの?さっきからずっと撫でてるけど」
知らない人間が現れたことで一瞬動物たちは警戒したが、ラスが親しげにしているので踏み止まって美女をじっと見上げた。
グラースはラスの前で仁王立ちすると、顎で欠伸をしているドラちゃんを指した。
「そいつの子供を妊娠した。恐らく出産のタイミングはお前と同じ位の時だ」
「…え!?そっちにはドラちゃんと…コーしか居ないけど!まさかコーの!?」
「お、おいチビ!俺を疑うなんてひどい!」
――グラースが指しているのは、慌ててコハクが傍から離れたドラちゃん。
呆気に取られているコハクとラスの顔を見て噴き出したグラースは、何食わぬ顔をして大きな口を開けて日光浴をしているドラちゃんに歩み寄って尻尾を踏んづけた。
「お前を捜しているうちにまあ…そういう仲になった。だが私は子供を産むだけで、そいつとはどうこうならない。種族が違うし結婚できるはずもないだろうからな」
「で、でも…え…ドラちゃん!グラースと…その…恋人になっちゃったの!?」
『違う。俺の恋人はベイビィちゃんだけだ』
「お前その牙全部抜いて舌引っこ抜いてやんぞ!冗談言うなぼけ!」
コハクに激怒されても全く動じないドラちゃんは、しゅんという音を立てて人型になると、立ったままラスを後ろ抱っこしてべったり張り付いてさらにコハクの瞳を真っ赤にさせる。
『冗談じゃない。今でも俺の愛しい女はベイビィちゃんだけだ。そこの女を抱いたのはただの気まぐれで、俺の子を欲しがったから』
…あけすけもない。
口をあんぐり開けて空を仰ぐようにして見上げてくるラスに上体を傾けてキスをしようとしたドラちゃんの首根っこを掴んだコハクはどたばたと互いに爪でひっかき傷を立てて抗戦しながらまくし立てる。
「チビは俺の子供だけしか産まねえし、お前グラースといつそんなうらやま……間違った。いつそんな関係になったんだよ!しかも妊娠させたとかお前…!」
『強い子が産まれる。俺はベイビィちゃんの傍に居るが、俺の子はベイビィちゃんの傍に居て守ってやれるだろう。一石二鳥だ』
ドラゴンと人との間の子。
ラスは瞳を輝かせていたが、とんでもない問題児を抱えてしまいそうな予感にコハクの口から盛大なため息が漏れた。