臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
未練がましく少しの間は想っていたけど、いつの間にかその想いは薄れてきていた。

それは、きっと麻由子のせいだろう。いつの間にか麻由子が最も近い存在になっていた。


去年の春、派手に転んだ麻由子を医務室に連れて行った時のことはもちろん覚えている。あんなに派手に転ぶ子は印象的だった。

必死にお礼を言う姿を見て、初々しくてかわいい新入社員だなと思ったけど、その時特別な感情は抱かなかった。

そんな麻由子が気付いたら、近くにいて、気になる存在になった。


一体いつからだったのだろう?


風もなく穏やかな海を眺めながら、麻由子との軌跡を航平は思い出す。


「ああ!そうか、もしかして…」


何かに気が付いた。


航平が思い出したのは3ヶ月前の楠本と千尋と一緒の飲み会だ。

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