さよならの見つけ方 第1章
「…向こうの国籍を取るの?」






「うん、ゆくゆくは」










「…どうしても、行くんだ?」






「うん」






「どうしてもどうしても、行くんだ?」






「うん。

夢見てるだけじゃ、何も変わらないなと思って」






「そっか」






「……」






でもそれじゃ…






「私は…?」







「……」










「…私は、どうすればいい?」






口からついて出た言葉が、捨てられる子犬の、その台詞のようだ。










100人分の悲しみが、心に押し寄せてくる。






また私は捨てられるんだ。





見たこともない本当のママと同じように、ずっとそばにいてくれたチャドまで、私を置いていこうとするの?









「…カンナを巻き込みたくないんだ。

カンナの人生を奪う権利なんて、僕にはないから」










「…奪うとか、」






そんな言葉で逃げないで。









奪うって、何?



もうずっと昔から、私の心はチャドのそばにいたよ。





置いていかれる事の方がよっぽどつらいのに、どうして分かってくれないの?

< 59 / 108 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop