さよならの見つけ方 第1章
「変声してしまったら、

今度はこっちの声を忘れてしまうんだなぁ…」






「不思議だね。

今はチャドと一緒にいなくてもチャドの声、すぐに思い出せるのに」






「思い出の中の声も、いつか低くなるんだよ」






「そっかぁ…」










「…カンナの記憶の中ではさ、」






「うん?」






「記憶の中での僕は、カンナに何て言ってるの?」













記憶の中の、チャド…











「…歌ってる」






「歌?」






「うん。

私、チャドの歌声が好きだから」










「…そっか。

じゃあ明日の礼拝は、もっともっと心を込めて歌うよ」





「あはは、すごい楽しみ」













そうだ、いつかチャドの歌声も、こんなに大好きな笑顔も、思い出せなくなる瞬間が私に訪れるのだろう。










あの日窓辺から飛び去っていった小さな蝶のように、

今度はチャドが、私の元から飛び立ってしまうのだ。










あの遠い青空に向かって、



その羽を、大きく広げながら。


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