さよならの見つけ方 第1章
そうだね。



二人の間には、伝えきれない事がたくさんあったね。









好きだという気持ちも、わがままも、







今だって私には、言えない言葉がたくさんあるんだよ。











「…私は、練習楽しかったよ」









冷たい手の平を、そっと右頬に寄せた。






足元で揺れる二人の影を、雨は静かに歪ませていく。










こんなに胸がぎゅっとなる想いをしたことがなかった。






チャドが私に注いでくれた優しい時間が、全部全部雨に流されてしまうようで、



それが悲しくて、涙が止まらなかった。










楽しかったね。



幸せだったね。



相変わらず、チャドは最後まで優しかったね。










もうすぐ全部、過去形になるんだ。






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