アウトサイダー
「入るよ?」
私が何も返事しないでいると、そう声がする。
妙に優しいその声は返って私を震え上がらせた。
「紗知、どうした。そんなに震えて」
開いたドアから顔をのぞかせて、優しくそう声をかけてくれたのは、小さい頃たくさん遊んでくれた懐かしい父だった。
「紗知。紗知はお父さんが正しいと思うだろ?」
その不自然なほどに優しい声は、私を震え上がらせるのに十分だった。
何も返事ができない私を、余裕の笑みで見下ろす父。
どうして、なんだろう。
ずっと幸せな家族、だったのに。
「正しいだろ?」
もう一度私にそう問いかけた時、父の顔が変わった。