アウトサイダー

部屋に戻ると、母はお風呂に入っていた。

リビングでテレビを見ていたコウさんが、私を呼び止める。


「さっちゃん」

「――はい」

「千島、真剣なんだ」


コウさんは彼のことを信頼していて、きっとどこの誰かわからない人と付き合うより、理想的なんだと思う。



「さっちゃんと付き合いたいって、結構真剣で。
考えてみてやってくれないか。

千島はのめり込むと周りが見えなくなっちまうところがあるけど、決して悪いやつじゃない。

きっとお母さんも喜ぶと思うよ」



お母さんが……喜ぶ?

そうかもしれない。
千島さんなら、きっとコウさんも母も賛成なんだと思う。