アウトサイダー
「ごめん」
唖然とする私に、千島さんは何度も謝る。
なにも悪くなんてないのに。
だけど、一言も返事を返すことができない私に、困っているのだと思う。
「いえ。あのっ……そんな風に言っていただけて、とてもうれしいです。
だけど……」
「分かってる。考える時間がいるよね」
そうじゃない。
でも……太陽にもう二度と会えないかもしれないというこの状況で、好きな人がなんて口にできない。
「ゆっくり考えてくれる?
俺、ずっと待ってるよ」
優しい笑顔を残した彼は、名残惜しそうに帰っていった。