アウトサイダー
私の疑問を解くように、彼は内ポケットから名刺を取り出した。
2級建築士 篠川太陽
「太陽……それじゃ……」
「あぁ、今は見習いのような立場で働いている。
今年1級の試験を受けるつもりだ。難関だけどな。
今日は、クライアントとの打ち合わせの帰り」
膝の上の手を握り締める。
彼は、約束を果たしたんだ。
私との、約束を――。
あの夢に向かって、確実に歩いているんだ。
「紗知はどうしてる?」
私たちの会話がぎこちなかったのは、きっと核心に触れることができないからだ。