アウトサイダー
もう、これで本当に最後なのかもしれない。
こんな偶然、もうないのかも……。
自分から帰ると言っておきながら、立ち上がることすらできない。
でも、立たなくてはならないんだ。
私には彬さんが……。
その時、太陽はもう一枚名刺を取り出して、なにかを書き込み始めた。
それは……。
「これ、俺の携帯。
なんか困ったら電話してこい。
俺なんか、いらないかもしれないけどな」
彼の差し出したその名刺を、震えそうになりながら受け取った。
あの時から変わらず、太陽は私の太陽だった。
温かい日の光を与え続けくれる――ずっと私を照らしてくれる、太陽だった。