アウトサイダー
やがてゆっくり離れていった彼が、やっぱり私を強い目で見つめる。
「どうして……どうして、建築の仕事に就いたんだ」
「えっ……」
「お前が幸せならと思った。だけど……そんなの、無理だ」
彼は視線を少しも外さない。
「無理なんだ、紗知」
私がこの道に進んだことで、ずっと彼の姿を追い続けていたことがばれてしまったのかもしれない。
そうなんだ。
私はずっと見えない彼を、追い求めていたんだ。
彼は私の腕をつかんだまま、部屋の中へと進む。
中途半端に脱げたパンプスが、リビングに転がるのも気にすることなく。
太陽はそのままリビングを通り越して、またドアを開けて……。