アウトサイダー
彼は意を決したようにゆっくり立ち上がると、私の前に歩み寄る。
「紗知、悪かった。今日の事は……忘れてくれ」
私はその言葉に、唖然とした。
彼は悪くなんかない。
男の人についてくるということはこういう事かもしれないのに、なんの疑問もなくついてきた私が悪い。
いや、本当はそうなりたいと……心のどこかで思っていたかもしれない私が――。
「送ってく」
テーブルの上にあった車の鍵を手にして、彼は玄関へと向かった。
私は……彼に従うしかなかった。
今の私に、他に選択肢なんて……ひとつもなかった。