アウトサイダー

彬さんが戻ってきたのは、その日の深夜、遅くなってからの事だった。


神妙な面持ちで「ただいま」と口にした彼は、キッチンでミネラルウォーターをグイッと飲み干した。


「彬さん、あの……」

「紗知、悪かった。俺……どうかしてる」


突然私を抱き寄せて、そう口にする。


「だけど、俺は紗知を愛してる。
一緒になりたいと思う。
そして、俺だけの紗知でいてほしい」

「うん」


そのつもりだった。
彼のよき妻として、この先の人生を……。

私はもう、そうすることを選んだのだから。


だけど……。


< 256 / 576 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop