アウトサイダー
「永沢さん。あの……私、そんなことできません」
「できなくてもやるんだ」
鋭い彼の言葉に、一瞬たじろぐ。
「紗知、これ以上自分の人生を捨てるな」
彼のそんな言葉に激しく動揺しながら、それでもそう言ってもらえたことに安堵している。
人生を捨てる――。
そんなつもりはなかった。
だけど、こんな私が我儘を言う事なんて許されない気がしていたから。
母は自分の人生を投げ打って、私を懸命に育ててくれた。
コウさんだって、こんな私を受け入れてくれて、学費まで出してくれた。
皆、私の犠牲にになって……そんな気がしていたのだ。
そんな私が、我が儘なんて。