アウトサイダー
「それなら……誰かにさらわれればいいか」
「えっ?」
「うん。お前は無理矢理連れて行かれた。そうしよう」
ひとりで満足そうに頷いている永沢さんの真意が、まったくわからない。
「紗知。これから家に帰って、身の回りのものを纏めろ。
そうしたら、俺がさらう」
「なんて?」
「ここ、結構広いんだぜ。
一部屋空いてるから、とりあえずそこに。
篠川くんの事は、後で考えよう」
「そんなっ、永沢さん?」
どういう……こと?
私が永沢さんにさらわれる?
「早くしなけりゃ、お前、嫁に行っちまうだろ?」
「そうしよう」と勝手につぶやく彼は、茫然としている私の手を取って部屋を飛び出す。