アウトサイダー
「行こう」
永沢さんの言葉に小さく頷いた私は、これからしようとしていることの重大さに、本当は気付いていなかったのかもしれない。
いや、わかっていて目を背けていたのかもしれない。
まだ迷う私の手をギュッと握った彼の手は、少し汗ばんでいた。
「紗知?」
再び永沢さんの車に乗り込もうとしたとき、聞きなれた声が私を呼ぶ。
ビクッと反応した私を見て、先に車に乗り込んでいた永沢さんが車を降りた。
「やっぱり紗知だ。こちらは?」
「初めまして。池森さんの上司の永沢と申します」
戸惑う私を余所に、彼らは余裕の挨拶を交わしている。
私はといえば、緊張を隠すことができなくて、呼吸が荒くなってしまう。