アウトサイダー
彬さんはもちろん、父や母、そして彬さんのご両親……そして、永沢さん。
皆の顔が頭に浮かぶ。
だけど、もう限界だった。
永沢さんの言うとおり、我慢していたから。
自分の気持ちを押し殺して……心の奥底に小さくたたんで、見えないようにしまっていただけ。
彬さんにどれだけ優しく抱かれても、どれだけ愛の言葉をささやかれても、私の頭の片隅には、別の男(ひと)が。
「できたか?」
私が玄関から顔を出すと、永沢さんが笑っていた。
外灯に照らされた彼の笑顔は、私の緊張とは対照的だった気がする。