アウトサイダー
「紗知」

「――はい」


永沢さんの少し低い声。


「俺は、お前が好きだ」

「えっ?」


唖然とした。
一瞬なにが起こっているのかわからなくなってしまって、戸惑ってしまう。


「お前を女として、好きだ。

妻と別れて、正直言って参ってた。
だけど、お前がうちの事務所に来て、なんだか知らないけど、いろんな痛みに耐えながら、一生懸命自分の夢をつかもうとしているお前に、いつの間にか惹かれていた。

そして、妻の事を忘れられた」


「永沢、さん……」


私の目をしっかりと見据えながら吐き出す彼の言葉に、きっと偽りはないだろう。


< 328 / 576 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop