アウトサイダー
「腹減った。とりあえず食おうぜ。
あの婚約者とは一度ちゃんと話し合おう。
俺も一緒に行くから。
とりあえず今は、紗知は俺の女」
大きな口で唐揚げに噛みついた彼は、とても美味しそうにそれを食べ始めた。
「ほら、紗知も食え。お前は泣いてばかりだな」
彼の大きな手がテーブルの向かいの私に伸びてきて、不器用に私の涙を拭い去る。
どうしてこんなに優しくしてくれるんだろう。
ずっと社会の溢れ者だった私にも、受け入れてくる人がいる。
コウさんもそうだった。
そして、彬さんも、永沢さんも……。