アウトサイダー
「どうぞ」

「あっ、はい……ありがとうございます」


小さな会議室に太陽とふたり。
こんなことになるなんて。顔を合わせるだけでも辛いというのに。


「今、お茶を」

「いえ……お構い無く」


ぎこちない会話が胸に刺さる。
そこにあった内線で私のためにお茶を頼んでくれる太陽から目が離せなくなる。


「そろそろ伺わなくてはと思っていたんです。実はリビングの件で」

「はい」


彼が図面を広げ始める。


「失礼します」


その時、お茶を運んできたのは、予想通り百合さんだった。


「いらっしゃいませ」

「すみません。ありがとうございます」


頭を下げてそれを受けとると、もう彼女の顔を見ることができない。


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