アウトサイダー

「太陽はここに置くね」

「あぁ。サンキュ」


ふたりのその会話に胸が締め付けられる。
付き合っているんだ。こんなこと、当然……。

だけど、その事実を受け止めるだけの余裕が全くない。



「あ、百合」

部屋を出ていこうとした百合さんを、太陽が呼び止める。

彼は立ち上がって彼女のそばまで行き、なにかを耳打ちしている。

うんうんと小さくうなずく彼女に、複雑な思いが浮かんでは消え――。


「お待たせしました。それでは始めましょう」


そのあとの彼の言葉はよく入ってこなかった。
ただ、彼の提案に「そうですか」と頷き、訂正する箇所をメモするだけで精一杯で。


< 358 / 576 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop