アウトサイダー
私の説得に渋々応じた永沢さんは、「車で待ってる」と言って部屋を出ていった。
「紗知」
「はい」
「よく意味がわからないんだが」
それはそうだろう。
ほんの少し間前まで、私だってこんな展開を予測できなかったのだから。
「彬さん、私……あなたとは結婚できません」
私が意を決してそう言うと、彼の顔色が変わるのがわかる。
「篠川ってやつのせいだとばかり思っていたら、まさか他に男がいたとはな」
彼の言葉に頭を垂れる。
そう言われても仕方がないから。
私が、悪い。太陽を忘れられない私が。
それなのに、彬さんとの結婚を承諾した、私が。
彼が許してくれるなら、彬さんのもとに戻るべきなの?
一瞬、そんな考えが頭をよぎる。
けれど、『自分に嘘だけはつくな』という永沢さんの言葉を思い出して、我に返った。