アウトサイダー

「ごめんなさい。私、ずっとあなたを愛していると思っていました。
ううん。本当に愛していました。
彬さんが私の境遇もすべて受け止めてくれて、私だけじゃなく父も母も気遣ってくれて……私にはもったいない、すごく素敵な人だと。

だけど、気がついたんです。
私……私の心の中に彬さん以外の人が……」


「それでもいい」

「えっ?」


彬さんの言葉を耳で疑う。


「それでもいい。紗知、そんなの忘れさせてやる」

「彬さん……」


彼の私を見つめる真剣な眼差しが、怒りを帯びているように感じて少し怖い。

だけどこれにうなずいたら、きっと後悔する。


< 375 / 576 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop