アウトサイダー

私は久しぶりに事務所に電話を入れた。


「紗知!」


偶然電話を取ってくれた先輩コーディネーターは、私の声を聞いて驚いている。


「大丈夫なのか? 
永沢さんがお見舞いはいいって病院も教えてくれなくて、みんな心配してるぞ」


永沢さんは病気療養にしてくれているといっていた。
だけど、いつまでも彼に嘘をつかせるのは心苦しくて、早く復帰できたらと願う。


「ありがとうございます」


みんなの心配に涙が溢れる。

こんなろくに役にも立たない社員を気遣ってくれる温かい職場。
ボスである永沢さんが作り出した大切な場所。

その一員としていられるのが、今はとてもうれしい。

一時は諦めた場所なのに、やっぱり大好きでたまらない。


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