アウトサイダー
「おぉ、永沢。久しぶりじゃないか」
「すまない。ちょっと仕事が立て込んでて遅くなった」
「へぇー。売れっ子は辛いねぇ」
憎まれ口を叩きながらも、斉藤さんの顔は笑顔だ。
斉藤さんは「篠川、仕事―」と奥に向かって太陽を呼ぶ。
彼の前で泣いてしまってから初めて顔を合わせる私は、いつも以上に緊張して声も出ない。
「こんにちは。
わざわざお越しいただき、ありがとうございます」
少しも私の顔を見ることなく挨拶を済ませた太陽は、すぐに永沢さんを会議室に誘導する。
「資料を取ってきます。少しお待ちください」
そう丁寧に頭を下げる彼は、もうあの頃の面影も少ない。