アウトサイダー

「太陽、待って……」

「ここなら、俺たち三人、幸せに暮らせそうだろ?」

「なに……言ってるの?」

「ここ、すぐに買い手が付いたんだ。
持ち主は篠川太陽。あ、設計費用はなんとタダ」

クスッと笑いながらポケットから取り出したのは……。


「約束だっただろ? これを紗知にプレゼントするって」

「そんな……」


それはこの家の鍵だった。



ポタポタこぼれる涙を見た彼は、私の頬に手を伸ばす。


「もう、逃がさない」

「太陽……」


彼はゆっくり私を抱き寄せる。
もう大きくなったお腹が邪魔をして、前のようにはぴったりとは重なれない。

だけど……。


< 540 / 576 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop