アウトサイダー
「必死だった。紗知を繋ぎ止めるのに」
彼の言葉にハッとする。
私が彼を裏切ったんだ。
「ごめんさい」
「いや、あの建築士に言われた通りだ。
紗知が俺の方を向いていないこと、わかってた」
絞り出すような彬さんの声は、少し震えているようにも思える。
「だからって、俺……取り返しのつかないことをした」
彬さんに、こうやって謝罪される日が来るなんて少しも予想していなかったから、驚いてなにも言えない。
「俺……前の彼女が……」
「えっ?」
「いい加減な女で、突然結婚するから別れてくれって。
どうも、俺のことはただの遊びだったみたいで」
彬さんは下唇を噛みしめながら言葉を紡ぐ。
きっと彬さんは真剣だったんだと思う。
だって彼はそういう人だから。