アウトサイダー
「紗知にあんなことしても、まだ紗知の目を俺に向けさせてやるって思ってた。
もうあの頃は半分意地で、自分でもどうかしていたと思う。
だけど……」
高ぶった感情を落ち着かせるかのように、彬さんがまだ熱いコーヒーを口にする。
「あの人に完敗だ。俺に骨まで折られたっていうのに、土下座しに来た」
「え……っ」
「紗知に子供ができた。きっとあなたの子だ。
だけど、自分に育てさせてくれって」
太陽……。
「最初は断った。
子供が俺の子なら、俺と紗知が育てるって。
だけとあの人、それから毎日毎日俺の帰りを待っていて、なにも言わずに頭を下げて。俺のことなんて憎いはずなのに」
そんなことが、あったんだ……。