光の花は風に吹かれて
リアも交えて始まった不思議な話し合い――クロヴィスは静かに語り始めた。

ルミエールでその事件が起こったのは10日ほど前。王家の権力争いが拗れ、第一王子であるユベールが城で暴れまわったのだという。

「まぁ、あの騒ぎはユベールお兄様が?それで後宮の警備がなくなったのね。後でお礼を言わなくちゃ」

話を聞いていたローズがニッコリと笑う。どうやらその騒動に紛れて後宮を抜け出したらしい。お礼は……要らないと思うが。

「それで、お父様たちは?」
「サラ様のお父上、ジャン様以外は意識もあり、もう動けるようになっております」

国王やユベールの母親、大臣に兵士たち……ほとんどが瀕死の状態だったけれど、ようやく回復して数日後に予定通り王位継承の儀を行う。

だが、今は落ち着いたユベールは、妻であるサラと共に城を出るだろうというのがクロヴィスの推測。

そして、ヴィエントへは行方不明になった第3王女を探して噂を辿ってきたのと、ユベールたちの住居について相談をしにきた。

「サラ様はマーレ王国が気に入ったようなのです」

ユベールはおそらくサラの希望を叶えるために、移住地にマーレ王国を選ぶだろう。それでマーレ出身であるリアに意見を聞きにきたのだそうだ。

「それなら、私の家を使ってください」
「おい、リア――」

リアの提案に、レオが渋い顔をする。当然だろう。ユベールを助ける義理はない。彼はリアを傷つけたことのある、いわばレオの敵だ。

「だって、私の家はこのヴィエントのお城だし、あの家は田舎にあるからユベール王子やサラさんも過ごしやすいと思う。ピッタリでしょう?」

パンッと手を合わせてリアが笑う。彼女は本当に……優し過ぎる。
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