光の花は風に吹かれて
「ローズ様」
「あっ、はい!」

ぼんやりと歩いていたら、肩を叩かれて思わず大きく返事をしてしまった。

「どうぞ?」

食堂の扉を開けて、ローズを待っていてくれる。慣れているはずのそれは、セストにされるととてもドキドキして。

やはりローズはセストのことが好きなのだと思う。

ローズは軽く頷いて食堂へと入った。

いつものようにすでに朝食はテーブルへ並べられていて、ローズはセストの向かいに座る。

今日は少し遅れて来たのに、目の前の食事は出来立てだ。きっと、セストがシェフに伝えてくれていたのだろう。

「シナモンロール、いい香りがしますね」
「えぇ」

変わらないセストの返事。それでも、答えてくれるセストの声が聴こえるだけで嬉しくて、食事などそっちのけでついいろいろと話し掛けてしまう。

セストがその手を止めることはないけれど、きちんとローズの話には耳を傾けてくれて、ときどき相槌を打ってくれる。

好きな人との食事はそれだけで楽しい。
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