金色のネコは海を泳ぐ
『でも、ルーチェは僕のこと嫌いになったんだ。一緒に寝てくれないし、抱っこもしてくれない。イジワルなんだよ?』
「ふーん。あの子、恋愛経験なさそうだもんねぇ。ま、それは君もだけど」

レンアイケイケン?

「ふふっ、そのうち君にもわかるよ」

そう言って、ユベール兄様は立ち上がった。もう行っちゃうのかな……

「1つだけ、いいこと教えてあげるよ」
『なに?』

ユベール兄様はニッコリ笑って首を傾げた。

「イジワルするのは好きだからなんだよね。裏返しってやつかな。ま、君の言う“イジワル”がイジワルにカウントされるかは微妙だけどさ。じゃーね!」

片目を瞑ってからくるりと向きを変えて、ユベール兄様は帰っていっちゃった。
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