金色のネコは海を泳ぐ
サラはとても驚いていたけれど、お昼寝をしていたらしいマノンとディオン――サラとユベールの子供たち――が起きて泣き出したことや外が寒かったこともあって、すぐにリビングへと迎え入れてくれた。

ジュストはソファに座ってリビングを見渡す。

ルミエールのお城とは全く違う、小さなログハウス。だが、ユベールとサラ、そして双子が暮らすには十分な広さなのだろう。

パチパチと暖炉の火が燃えて、リビングを暖めている。

「ごめんなさい。えっと……ジュスト、様……?」

双子をもう1度寝かしつけてきたサラは、紅茶とケーキの乗ったトレーを持ってジュストの向かい側に座った。

「ジュスト、だよ?」

カタン、と……サラがカップをジュストの前へ差し出して顔を上げる。

「ほ、んとうに……?」
「うん」

信じられない、という表情でジュストを見つめるサラ。

「姉様、これ、飲んでもいい?」
「あ、はい。どうぞ」

ジュストはゆっくりと紅茶を飲んだ。ルーチェの家からここまではかなりの距離だ。冷えていた身体がじんわりと温まっていくのを感じながら、ジュストはカップをソーサーに戻して顔を上げた。

「あのね、姉様。いっぱい、いろんなことがあったんだよ――」

ジュストはしっかりとサラの目を見て、ネコになった日から今までのことを話し始めた。
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