金色のネコは海を泳ぐ
「ルーチェ、ジュスト。いつまでこんな隅っこにいるつもりなんだ?」

唯一、テオだけは2人のことを気に止めていたらしく、3人分のドリンクを持って近寄ってきた。

「これ、シャンパンだけど……ジュストも飲めるんだよな?」
「まぁ……一応、年齢的には」

そう答えたのはルーチェで、ジュストは急にムスッとしてルーチェの前に立った。

「ルーチェは飲んじゃダメ!惚れ薬が入ってたら本当に浮気になるんだからね」
「もう、ジュスト?何言ってるの……」

確かにテオには惚れ薬を作ってあげたけれど、それはルーチェに使うためではないのだ。

テオは少し驚いた顔をして、クスッと笑った。

「ジュストは……すごいな。そんなに堂々として、羨ましいよ」
「テオ?」

ルーチェがジュストの背中から顔を出すと、テオは少し寂しそうに笑っていた。

「惚れ薬は入ってないけど……まぁ、俺からは受け取りたくないってことだよね?」
「うん」

テオの言葉に迷いなく頷くジュストに、テオは苦笑してトレーを近くのテーブルへと置いた。

「ジュストはいつからルーチェと恋人なんだ?」
「テオっ!だからそれは違うって――」
「ずっとだよ。僕はルーチェと海で会ってからずっとルーチェのことが好きだから、ずっとなの」

ルーチェの言葉を遮って、ジュストが答える。

テオは「そっか」と、やっぱり寂しそうに笑った。
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