金色のネコは海を泳ぐ
「お姉ちゃーん、あ――」

そこでアリーチェが勢い良くドアを開けた。

ジュストが顔を上げてアリーチェを見ると、アリーチェは少し驚いた顔をしてから困ったように笑った。

「ごめん。お取り込み中だったんだ。新婚さんなんだし、鍵かけた方がいいわよ」
「違うっ!」

ルーチェが大きな声を出して、身体を起こした。

思いきり否定したルーチェにジュストがムッとして見ると、ボタンの外れたパジャマの隙間から花柄が見えた。

「あ、ルーチェ、お花のやつ着てる!」

ルーチェの留守中にジュストが洗った服だ。

「見せて!」

絶対似合うと思っていたのだ。もっと良く見てみたい。

ジュストがパジャマの合わせを開くと、ルーチェの白い肌が露わになった。

「ちょっ――バカジュスト!」
「痛い!」

ゴツッと思いきりグーで頭を殴られて、ジュストの視界がぼやけた。

なんだか心臓がものすごい速さで打ち付けている。死ぬのかもしれない。

この場合、ルーチェに殺されたことになるのかも……
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